保健医療科学
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難病患者と家族を支援する難病相談支援センターの役割と今後の展望
相談支援からピアサポートまで
湯川 慶子 川尻 洋美松繁 卓哉
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2021 年 70 巻 5 号 p. 502-513

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抄録

2003年から難病相談支援センターの設置が開始され,2007年には全都道府県にそろった.2015年の難病法第26条では,難病対策の 5 本柱として,①調査研究の推進,②医療施設の整備,③医療費の自己負担の軽減,④地域における保健・医療・福祉の充実・連携,⑤QOL 向上を目指した福祉施策の推進が定められている.

本稿においては,日本の難病相談支援センターの沿革・概要について,センターの人材育成や全国の質の統一のため難病患者,支援者用の教材を紹介しつつ,難病相談支援センターの役割について記す.さらに,難病患者にとっては孤立感を解消するとともに,医療者以外の先輩患者からの経験に基づく助言を受けたり,逆に後輩患者を助けることによって,失われた自信を回復したり,新たな人生の再構築のためにピアサポートが重要であり,その実践的な取組みも含めて報告する.最後に,医療社会学的観点から今後の難病患者支援の在り方を考える.

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© 2021 国立保健医療科学院
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