化学と教育
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ヘッドライン 日本の化学史 ―近代化学の受容から化学の制度化へ―
江戸時代とオランダ化学書
—宇田川家から川本幸民への流れ—
八耳 俊文
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2020 年 68 巻 1 号 p. 4-7

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抄録

江戸時代,西洋の学問事情はオランダ書を通じて伝えられた。これを担ったのが蘭学者である。宇田川榕菴は西洋で体系化されつつあった近代化学を,オランダ化学書を通じ学び,その成果を『舎密開宗』にまとめた。榕菴が利用したオランダ書は1820年代までのものであったが,榕菴死去後,1830年代以降のオランダ書を読み,新しい化学の動向を紹介したのが川本幸民であった。この川本幸民の化学の学習の軌跡を述べる。

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© 2020 公益社団法人 日本化学会
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