2012 年 60 巻 12 号 p. 524-527
物質の元素分析というとX線や電子線を使って固体試料の元素を検出する方法や,試料を溶液にして発光・吸光を測る方法があるが,これらは主に金属元素を対象としている。有機元素分析は,試料を燃焼分解して発生するガスを定量する方法であり,対象となる元素は非金属元素である。電子天びんを使用してμg〜mgオーダーの試料をはかり取るため,はかりとの関わりが深い。はかりの適正管理や正確なひょう量に必要な事項については本講座の天びん編ですでに解説されているため本稿では省略し,有機元素分析で正確な結果を得る技術について紹介する。