2012 年 60 巻 12 号 p. 498-501
人類の宇宙進出は人工衛星の打ち上げから始まり,現在では多岐にわたるミッションが存在する。その中で人類が克服しなければならなかった大きな課題の一つが大気圏再突入であった。これを克服するために軽量かつ耐熱性の高い複合材料が多く利用され,今でも盛んに新しい複合材料の研究開発が進んでいる。熱に対する対処方法としては,高温でも安定な材料を使用する,もしくは反応・分解により自らは消費されるが内部は守る,という主に二つの方式が存在する。これらの耐熱材料を突入時の加熱環境に合わせて選択することにより大気圏再突入が可能になっている。