化学と教育
Online ISSN : 2424-1830
Print ISSN : 0386-2151
ISSN-L : 0386-2151
生物間に作用する情報物質の利用(生物が話す化学の言葉)
林 七雄
著者情報
解説誌・一般情報誌 フリー

1999 年 47 巻 7 号 p. 467-471

詳細
抄録

本稿では, 生物個体間に見られる化学物質を媒介とする相互作用のうち, 身近な生活に関連した項目, アレロパシーと植物同士の戦い, 誘引物質を用いた害虫の防除, フィトンチッドと森林浴, およびアロマテラピーについて解説した。アレロパシーと植物同士の戦いでは, キク科植物の植物遷移を他感作用物質に基づいて考察し, 誘引物質を用いた害虫の防除では, 性フェロモンを用いた害虫防除法(性フェロモントラップによる害虫発生予察, 大量誘殺法, 交信攪乱法)を解説した。フィトンチッドと森林浴では, フィトンチッドと森林浴の関係を樹木に含まれる精油を通して明らかにし, 森林浴の効用を精油の人体に与える影響により考察した。アロマテラピーでは, 芳香療法のメカニズム, 範囲について解説した。

著者関連情報
© 1999 公益社団法人 日本化学会
前の記事 次の記事
feedback
Top