20世紀の物質文明を支えてきた化学工業は触媒を使って創られた物質文明とも言える。しかし, その代償として, エネルギー問題, 公害問題, 食料問題など, 人類の生存を左右する問題が多発している。このような難問を解く鍵も触媒である。このような機能の多くは固体表面に特有のものであるが, その本質は解かっていない。この数年間に我々は固体表面をアトムスケールで見ることが可能になり, 固体表面の物質としての特異性がアトムレベルで解かるようになり, 触媒作用がどのような機構で機能しているかが解かるようになってきた。