2020 年 54 巻 1 号 p. 31-36
嶌田知帆・長島啓子:ヤマハンノキの一斉林における地上型レーザースキャナを使用した樹高推定,森林計画誌54:31~36,2020 本研究では,高密度なヤマハンノキの一斉林を対象に,地上型LSを使用して樹高の単木レベルの推定を試みた。得られた点群データから,①幹の中心を推定し,中心点から発生したバッファ内の最高Z値を樹高として推定する方法と,②局所最大値法によって樹高を推定する方法の2つの方法で樹高の推定を行った。この結果,両方法とも単木レベルでは現地の実測樹高との相関はなく,樹冠上部のノイズの除去や幹の曲がりへの対応を行うことで,精度の向上が期待された。一方,実測樹高と方法②の平均樹高の間に有意差はなかったことから,林分の平均樹高を推定する上では,方法②が有効である可能性がある。