2020 年 29 巻 p. 42-50
本研究は、小児外来で実習した学生の学びに関する文献検討から、小児看護学実習での教育上の課題を明らかにすることを目的とした。過去10年の論文から 「小児看護」、 「実習」、 「外来」 をキーワード検索し、16件の分析対象から研究課題に関する記述を抜粋してコード化カテゴリ化した結果、学生の学びでは、小児看護学実習の核となるものに加え、家族や地域に着目したカテゴリが抽出された。教育上の課題では、【看護実践の意図を伝えたり学生の気付きにくい現象に補足を加える】、【教員や指導者が小児外来の位置づけや実習目標を共通理解し、実習環境の調整を図る】、【小児外来の特徴的な役割や看護の理解には教育方法の検討を要する】、【実習に向かう事前準備として学生のもつ知識や意欲の向上を図る】が抽出され、これらが共存して充足されることで、小児外来は小児看護学実習フィールドの中核になり得ることが示唆された。