日本小児看護学会誌
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親の子育て体験談を聴くことによる看護学生の子育て観への効果
今村 美幸山口 求光盛 友美鍋島 和貴
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2011 年 20 巻 1 号 p. 107-112

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抄録

少子化時代に生まれた看護学生は子どもとのかかわりが少ないために、講義のみでは子どもや子育て観を描きにくい状況にある。そこで本研究は、小児看護学の授業に導入している「地域の親が看護学生に子育て体験を語る」ワークショップ(以下WS)前後の学生の子育て観の変化を明らかにし、WSの教育的効果を検討することを目的とする。WSによって学生は、子育てを多角的にとらえ否定的イメージから肯定的イメージへと変化させるとともに、子育て支援の必要性に学生自らが気づいていた。子育て体験を母親・父親から直接聴き、親子のふれあいを直接目で見ることにより学生は、子どもや子育てへの理解を深めることができ、母親・父親の人間的成長にも気付くことができたためであろう。したがってWSは、講義だけでは限界のある学生への学びを深めるものであり、将来の保健指導や子育て支援へと生かすために効果的なものであるといえる。

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© 2011 一般社団法人 日本小児看護学会
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