日本文学
Online ISSN : 2424-1202
Print ISSN : 0386-9903
特集・記録の戦略
「書きつける」者たち
―― 歌物語の特殊筆記表現をめぐって ――
原 豊二
著者情報
ジャーナル フリー

2016 年 65 巻 5 号 p. 28-38

詳細
抄録

古典文学の時代、一般に「記録」するとは筆で紙に書くことを意味する。けれども、「記録」というものを「戦略」の一つとして考えるならば、通常の筆記の方法から逸脱したものについても意識的であるべきだ。平安時代以降の歌集や物語では、特殊な筆記法が多く描かれている。小論では『伊勢物語』や『大和物語』などの歌物語の「特殊筆記」について考察を加え、それらが作品の構想や方法にも関わる重要な「記録の戦略」であることを提示する。

著者関連情報
© 2016 日本文学協会
前の記事 次の記事
feedback
Top