フェリス女学院大学
2010 年 59 巻 7 号 p. 23-34
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建久三年(一一九二)に企画され、数年をかけて成立した『六百番歌合』の「仏名」題の歌は、平安時代の「仏名」題とは、一線を画す特徴を持っている。古来形成されてきた「仏名」の本意は、院政期を経て、『六百番歌合』の時代に大きな変化を遂げている。その変化に込められた意図とは何か。過去を継承し、現在の時代を反映し、未来へのメッセージを発するという、三つの要素によって形成されていくのが、本意の変遷である。「仏名」題の変遷から、中世初期の時代に迫ってみたい。
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