東京大学大学院
2008 年 57 巻 1 号 p. 44-55
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本稿は大宅壮一の戦前期のテクストを、《情報化》という問題関心から読解しなおすものである。大宅の当該期の作業は以下の三点に集約できる。(1)同時代の文学的事象を情報として整理する。(2)文学生成の原理を構造的情報として記述する。(3)文学を情報商品として捉えかえす。大宅はこうした作業を媒介に文学の神聖性を剥奪していく。それは小林秀雄的批評とも、あるいはプロレタリア文学批評とも、異なる批評的系譜の可能性を胚胎させた営為であった。
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