お茶の水女子大学大学院
2006 年 55 巻 6 号 p. 37-45
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寛政四年に出版された狂歌師桑楊庵光の読本『圃老巷説菟道園』第三巻二話「和気清麻呂河伯に巫を投する事」は、『日本王代一覧』称徳天皇条にある宇佐八幡神託事件を枠組に、『史記』の「滑稽列伝」を挿入して書かれた。典拠は用字も含めてほぼ忠実に写され、作者の典拠への姿勢を窺わせる。また、前掲の典拠によらない挿話に、『菟道園』執筆時に起きた、友人石川雅望の冤罪事件が関連している可能性にも注目した。
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