1999 年 48 巻 3 号 p. 1-11
「文学」を「読むこと」と置き換え、「読むこと」を次のように定義づける。すなわち、書き手が自らの<課題としての生>において作り出した作品における<問い直す、意味への意志>を、自らの<課題としての生>を生きる読者が読者自身の<問い直す、意味への意志>において「ことばの仕組み」として発見すること。そして、「文学は教えられるのか」という問いかけを、<問い直す、意味への意志>は教えられるのかと言い換えたうえで、それは「読むこと」において伝わるというかたちで教えられると考える。