本研究は,幼稚園5歳児クラスで取り組まれた,9名のチームによる協同的な活動としての劇づくりを分析し,劇づくりの過程を描き出し,対話という視点から検討することを目的とした。エピソードの分析の結果,幼児たちは演ずることから気づく互いのイメージのズレを,対話によって摺り合わせ,具体的な表現方法や行動を発見していくことが示された。また,その一方で,何を表現するのかという内容の明確化と,チームとして目指すものの共有化が進行していることが明らかとなった。また,「目指すもの」とは「本物らしさ」であることが確かめられた。