本稿では, 韓日両国の主要な33都市を対象として, 韓日間の国際的都市システムを企業間提携によって分析した. その結果は, 以下の2点に要約される. 第1に, 企業間提携においてはソウル・東京・大阪という世界都市の企業を中心に国際的都市システムが形成されており, 広域中心都市・道(県)庁所在都市の企業による提携は相対的に比重が小さい. また, その空間的形態には, 世界都市間結合, 世界都市一地方都市間結合,地方都市間結合からなる階層構造が明瞭に現れた. 第2に, 企業間提携の世界都市間結合への集中は, 世界都市への大企業の集中および企業規模と深く関連している. とりわけ, 大企業の本社は, 大都市の成長と最も強く関連する中枢管理機能の発現機関であり, 国際的に展開する個別企業内の事業所網を管理統制する機能と, 系列会社・子会社・関連会社からなる企業グループを統制管理する機能とを持つ. これらの機能の発現には階層的な空間秩序が存在し, 国際的都市システムの階層形成の主な要因となっている.