オーストリア文学
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書評 神品芳夫著『リルケ 現代の吟遊詩人』   荻原耕平
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2017 年 33 巻 p. 20-22

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抄録

本書は著作や翻訳を通じてなじみのふかい神品芳夫氏の近著であ る。リルケに関するものとしては、『リルケ研究』(一九七一)、七篇 のリルケ論を収めた『詩と自然』(一九八三)につづく三冊目の著作 にあたる。本書には、二〇一〇年以降に各誌に発表されたり、新た に書き下ろされたりした九つのエッセイや論考が収められている。 受容史、作品論、評伝などからなる三部構成をとり、さまざまな角 度からリルケの作品と生涯に触れることができる。情報量は多いが、 堅苦しくなく近寄りやすい内容で、専門家だけでなく、ひろく一般 の読者に向けられたリルケ入門・案内だといえる。

© 2017 オーストリア文学
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