2014 年 18 巻 1 号 p. 27-35
本研究は,看護職として再就職してからの1年間に着目し,再就職者が組織社会化していく,その様相を明らかにすることを目的とした.前職場を退職後1年以内に再就職した看護師14名を対象に半構成的面接を行い,得られたデータを質的記述的に分析した.その結果,再就職者の組織社会化の様相として【規範・価値観の相違に困惑する】,【実務経験のある新人という微妙な立場に戸惑う】,【職場の中で孤独を感じる】,【先ずは〈ここのやり方〉を取り入れる】,【職場の中の自分の位置づけを探る】,【スタッフとの関係をつくる】,【折り合いをつけて受け入れる】,【職場における自分の役割を理解する】,【組織の一員としての実感を得る】,【実務経験に応じた細やかな支援】,【今は〈ここ〉で続けることを選択】の11カテゴリーが抽出された.これらの結果をふまえ,新しい職場における規範や価値観を内面化するまでの再就職後1年間の支援のあり方とその重要性が示唆された.