本研究は,第二言語としての日本語学習者のテイルの習得過程で「テイルの用法」,「動詞タイプ」,「日本語学習期間」の3つの要因がテイルの習得に如何なる影響を与えるのかを論じたものである。分析には台湾人日本語学習者の作文データを用い,2年間で4回分の作文データが揃っている40名の学習者を対象に,テイルの習得状況について分類木分析で縦断的な考察を行った。その結果,3つの要因の中で台湾人日本語学習者のテイルの使用に最も影響が強いのは「テイルの用法」の違いであり,続いて「動詞タイプ」の違い,そして最も影響が低いのは学習者の「日本語学習期間」であることが明らかになった。