2009 年 34 巻 p. 7-11
クリハラリスCallosciurus erythraeusの食性を明らかにするために,1998年1月より1999年1月まで,神奈川県逗子市の林地の林辺と民家周辺において直接観察を行った.その結果,自生する74樹種中30種の樹木の採食が確認できた.このうち9種は,民家に植栽されたものであった.頻繁に観察された餌の樹種は,サクラ類,ヤマグワ,ヒメコウゾ,カラスザンショウ,クリ,カキ,ナツミカン,エノキ,コナラ,ケヤキの10種であった.果実の採食が最も多いが,冬や春には樹皮を剥いで樹液をなめる行動が多く,花や新芽も利用された.