コンテナ苗が,東北地方の厳しい気候下で良好な成長ができるのか,また徒長気味にも見えるコンテナ苗でも良好な成長をするのかを確かめるため,最大積雪深が1m前後である岩手県二戸市浄法寺町と宮城県白石市において,裸苗とコンテナ苗の成長を植栽後3成長期間に渡って計測した。その結果,岩手県の事例では,コンテナ苗の方が裸苗よりも樹高,直径成長ともに速かったが,宮城県の事例では裸苗の方が初期成長が速かった。両試験地の環境差による影響も考えられるが,植栽されたコンテナ苗の形状比に大きな違いがあり,これが,植栽後の成長に影響したものと考えられた。このため,コンテナ苗は東北地方でも良好な成長をする能力はあるが,そのためには,植栽時の形状比を低く保つ必要がある可能性が示された。