2021 年 32 巻 2 号 p. 43-51
本研究では、調査が容易でかつ安価に開発することが可能である「Wi-Fi パケットセンサー」を用いることで、観光統計のひとつである「共通基準による観光入込客統計」への活用可能性を検証した。広島県廿日市市宮島での実証実験による Wi-Fi パケットセンサーによるデータと、実測データ(宮島ロープウェー利用者数、宮島の来島者数)との突合から、Wi-Fi パケットセンサーによるデータから訪問者数を推定可能であることを示した。また、適切なデータ抽出(過去の観測有無による住民・従業者データの除去や、最初と最後の観測地点によるデータの絞り込み)を行うことで、宿泊・日帰り別の人数が推定可能であることを示した。