植物の生長調節
Online ISSN : 2189-6305
Print ISSN : 1346-5406
生物微弱発光(バイオフォトン)を利用した病害抵抗性誘導剤の探索システム
加藤 公彦伊代住 浩幸稲垣 栄洋貫井 秀樹
著者情報
ジャーナル フリー

2007 年 42 巻 2 号 p. 155-161

詳細
抄録

植物の酸化的代謝反応に基づく生物微弱発光(バイオフォトン)は,各種のストレスに植物が応答した結果,発生量が高まることが知られている.このため,バイオフォトンはストレスに対する生体情報として位置づけられている.バイオフォトンは,植物が病原菌感染に対して示す防御応答に付随して,その発生量が高まるが,イネでは,バイオフォトン生成に至るシグナルはリン脂質代謝経路を通って伝達されていることが判明した.さらに,この防御応答に付随したバイオフォトンは,抵抗性誘導剤のプライミング作用によりその発生量が高まることを発見し,この現象を利用して病害抵抗性誘導剤の探索システムの構築に成功した.

著者関連情報
© 2007 一般社団法人植物化学調節学会
前の記事 次の記事
feedback
Top