2007 年 42 巻 2 号 p. 155-161
植物の酸化的代謝反応に基づく生物微弱発光(バイオフォトン)は,各種のストレスに植物が応答した結果,発生量が高まることが知られている.このため,バイオフォトンはストレスに対する生体情報として位置づけられている.バイオフォトンは,植物が病原菌感染に対して示す防御応答に付随して,その発生量が高まるが,イネでは,バイオフォトン生成に至るシグナルはリン脂質代謝経路を通って伝達されていることが判明した.さらに,この防御応答に付随したバイオフォトンは,抵抗性誘導剤のプライミング作用によりその発生量が高まることを発見し,この現象を利用して病害抵抗性誘導剤の探索システムの構築に成功した.