女性心身医学
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女子大学生における食行動異常(第1報)
山蔦 圭輔野村 忍
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2004 年 9 巻 3 号 p. 211-218

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抄録

本研究では,女子大学生の食行動異常とBMIおよび痩せ願望や身体像不満足感の実態を捉えるため,女子大学生689名(平均年齢20.02±2.43歳)を分析対象とした.調査項目は,身長・体重・ボディ・イメージに関する項目・EAT-26であった.BMIについて検討した結果,「痩せ」に分類された者は130名(18.9%),「普通」534名(77.5%),「肥満」25名(3.6%)であったが,全区分で,食行動異常傾向が強い者が存在することが明らかとなった.EAT-26得点について因子分析を行ったところ,「食物摂取コントロール感」,「食物に関する捉われ感」,「肥満恐怖」,「食事と体型に関する他者評価への意識」汀嘔吐」,「摂食形態」の6因子が抽出された.EAT-26の抽出因子得点を従属変数,BMI高・低を独立変数としてt検定を行った結果,BMI高群では,「食物摂取コントロール感」「肥満恐怖」得点が高く,「食物に関する捉われ感」得点が高い傾向にあることが認められた.また,EAT-26の抽出因子得点を従属変数,ボディ・イメージに関する項目得点高・低を独立変数としても検定を行った結果,ボディ・イメージ不満足感強群では,「食物摂取コントロール感」「食物に関する捉われ感」「肥満恐怖」得点が高く,「嘔吐」得点が高い傾向にあることが認められた.女子大学生の食行動異常について検討する際,身体像不満足感などの心理要因について詳細に検討する必要が推測された.

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© 2004 一般社団法人 日本女性心身医学会
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