家族性腫瘍
Online ISSN : 2189-6674
Print ISSN : 1346-1052
総説
多発性内分泌腫瘍症
亀山 香織高見 博
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ジャーナル オープンアクセス

2001 年 1 巻 2 号 p. 51-54

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抄録

多発性内分泌腫瘍症(multiple endocrine neoplasia, MEN) は,2腺以上の内分泌腺に特定の組み合わせで,同 時に,あるいは異時性に腫瘍が発生する疾患であり,その腫瘍の組み合わせでMEN 1 型と2 型に分類され,いずれも常染色体優性遺伝の遺伝形式をとる.MEN 1 型の原因遺伝子は11 番染色体長腕上に位置し,10 個のエクソンを含み610 個のアミノ酸からなる蛋白(menin)をコードしている癌抑制遺伝子である.一方,MEN 2 型は10 番染色体長腕上にあるRET proto-oncogene の点突然変異が原因である.MEN では発症を予防することは現時点ではできない. MEN 1RET 遺伝子の検査により保因者を早期に発見し,少しでも早く治療を開始することが大切である.

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© 2001 The Japanese Society for Familial Tumors
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