2023 年 11 巻 5 号 p. 296-299
自発振動現象を起こす Rh 金属微粒子触媒上の CO 酸化反応について、分散型光学系による時間分解X線吸収分光法を用いた研究を実施した。定常ガスを一定温度で導入して、触媒反応の振動現象が起こっている最中の Rh 金属微粒子の構造変化について、1 Hz 程度のフレームレートで詳細観測した。触媒反応生成物である CO2 濃度の時間変化とX線吸収分光法による Rh 金属微粒子構造の時間変化とを比べると、両者は強く相関していることが見て取れた。振動構造の様式には、Rh の平均価数変化は階段状のものである一方 CO2 の生成量はパルス状の変化であるという違いがあり、これは金属 Rh 表面で短時間のみ吸着 CO が無い状態が実現されるという考えで解釈できた。