1980 年 5 巻 14 号 p. 87-96
本研究は熱負荷計算用の気象データを得るため,実測データの変動や相関を数学的モデルで表し,モンテカルロ法によって時間単位でシミュレーションすることを目的としている.本報は,その基礎的研究として,福岡気象台で観測している9気象要素の月平均値で構成する月平均気象データを作成し,その年周期変動や気象要素間の相関を検討したものである.年周期変動は気象要素間の相関に影響を与えるため,本報では月別に相関を検討している.また,月別の回帰式において共通に重要な説明変数を取り出して最良回帰式を求めているが,各気象要素の最良回帰式は一般に2変数の回帰式になる.