2022 年 47 巻 307 号 p. 1-9
本研究では,不燃性の膜天井内に天井カセット型4方向吹出パッケージエアコン(以下PAC)を配置し、膜からの放射効果を期待した空調方式を提案し,その有用性の検証を目的としている。本報では,通常の天井カセット方式と不織布の有無による2パターンの膜空調方式について冷房時の実大実験を行った。その結果、膜なしと膜あり(不織布なし)では、温熱環境特性に大差がなく、膜(不織布あり)では、膜なしと膜(不織布なし)に比べ、温度変化の少ない空間となっていること、膜による冷放射効果が大きいこと、膜を介してもPACにて負荷に応じた熱処理が行われていることが分かった。