本研究の目的は, これまで加味されていなかった配管網経済設計に重要な要因も組み込んで、それらの要因の影響を定量的に明らかにし、さらに、それらの要因も組み込んだプログラム構築を行うことにある。今回の報告においては, 算定手法の理論と, その基礎となる地域熱供給配管網の建設費の構成, 土木工事費および配管材料費ならびに配管接続費と配管径の関係について述べると共に, 直接埋設2管式既断熱温水配管において, 直線部の単位工事線長あたりで経済的最適配管径と設計与条件の関係についての解析結果を表す。今回の検討により, 経済的最適化口径は, 熱負荷,補助金率, 配管設置場所等の条件により影響を受けることが明らかとなった。