本研究は,建築設備の竣工データベースを活用して冷熱源機器の導入割合の実態を明らかにし,熱源システム解析に基づいて地域排熱量を試算したものである.その結果,建物の延べ床規模が大きくなるに従い,冷却塔を用いた空調システムの設計頻度が増加し,そのため空調システムおよび関連機器の全排熱量に占める潜熱量の割合が高まる傾向があることを明らかにした.そして,東京23区全体で夏季日中には13〜14GWの顕熱が空調システムおよび関連機器から発生し,その日総量値は約180GW・h/日であること,日中に空調システムおよび関連機器から発生する全排熱量のうち潜熱量が占める割合は25〜28%であることが示された.