2001 年 26 巻 80 号 p. 77-86
本論文は,土壌熱源ヒートポンプの利用を中心に据え,自然エネルギーをハイブリッドに活用したエネルギー自律型住宅に関する研究の第3報であり,国内6都市への適用可能性の評価を行ったものである.まず,エネルギー自律型住宅解析プログラムを作成し,各種自然エネルギー利用設備特性の計算値と実験値がよく一致することを検証した.次いで,土壌熱源ヒートポンプの適正容量と導入効果の解析を行い,一次エネルギー削減率が20〜50%の範囲となることを示した.さらに,住宅のエネルギー収支に関する検討を行った結果,既報の設備構成によって,検討した6都市においては,ほぼ自給化が可能であることを明らかにした.