2021 年 60 巻 6 号 p. 454-461
医療安全を確保,促進するためには,医療安全文化の醸成が必要である.医療安全文化は「医療に従事する全ての職員が,患者の安全を最優先に考え,その実現を目指す態度や考え方およびそれを可能にする組織のあり方」と定義される.本稿では,医療安全文化の測定,評価,改善の取り組みについて,特に米国(AHRQ)が開発した「医療安全文化調査票(病院版)」“Hospital Survey on Patient Safety Culture (HSOPS)”を用いた国内外の報告を紹介する.併せて公益財団法人日本医療機能評価機構が提供する「医療安全文化調査活用支援プログラム」について概説する.