死傷者7 名を出した石油タンク火災の出火原因の究明を行った.災害発生時に使用されていた絶縁性被覆を有する清掃用具(ワイパー)の帯電に着目し,操作方法と帯電量の関係,放電による可燃性物質への着火の可能性を実験的に調べた.その結果,清掃作業において作業者が柄から手を離した瞬間にワイパーの電位が数kV に帯電すること,原油が柄に付着すると石油ワックス層が形成され,電気抵抗が増加して帯電量が飛躍的に増加することが明らかとなった.着火実験の結果,作業中に想定される帯電量で着火する可能性が高いことを確認した.