日本皮膚免疫アレルギー学会雑誌
Online ISSN : 2433-7854
Print ISSN : 2433-7846
症例
振動による血管性浮腫 (振動蕁麻疹) の1例
小猿 恒志五木田 麻里堀川 達弥
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2018 年 1 巻 2 号 p. 111-115

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抄録

 27歳, 男性。左手の浮腫を主訴に当科初診。数年前から年に6, 7回, 右手あるいは左手に浮腫が出現して, 1日後には改善することを繰り返していた。初診の数日前に家具の組み立てに際して金槌を使用した後に手に軽度の搔痒を伴う浮腫が生じた。初診時に左手背を中心に, 左第2, 3, 4, 5指に浮腫があった。補体とC1インアクチベーター活性は正常であった。左前腕の伸側に試験管振とう器による振動負荷試験を実施した。試験管振とう器の接触部だけではなく, 左前腕全体に潮紅および浮腫を認めた。加えて同部に軽度の搔痒の訴えがあった。7時間後も振動負荷した部位中心に発赤を伴った腫脹が持続した。圧負荷試験は陰性, 皮膚描記法は陽性であった。以上から振動血管性浮腫 (振動蕁麻疹) と診断した。

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© 2018 一般社団法人 日本皮膚免疫アレルギー学会
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