ペドロジスト
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ボリビア東部平原地帯,オキナワ移住地における土壌断面形態と堆積母材の諸特性について
高田 裕介近藤 錬三小林 進介筒木 潔谷 昌幸
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2003 年 47 巻 2 号 p. 80-89

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抄録

ボリビア共和国,東部平原地帯に位置するオキナワ移住地において,土壌肥沃度に関する基礎的情報を得るために,土壌断面形態と堆積母材の諸特性の関連性について検討を行った。土壌断面形態と堆積母材の諸特性は移住地北部と南部で大きく異なっていた。北部では層位分化の未発達な土壌が分布しており,カンラン石,方解石,斜長石,カリ長石,石英,緑泥石および雲母鉱物主体の一次鉱物組成であった。一方,パイロン川以南では下層に赤褐色を有する土壌が分布しており,カンラン石,方解石,斜長石,カリ長石および石英主体の一次鉱物組成であった。移住地北部の粘土鉱物組成は主に,イライト,カオリナイト,およびバーミキュライト主体の粘土鉱物組成であり,南部では,下層においてカオリナイト,イライト,およびスメクタイト主体の粘土鉱物組成であった。細砂画分中の主要元素組成データを基に主成分分析およびにクラスター分析を行った結果移住地北部に分布する土壌断面は主に苦鉄質なクラスター,パイロン川以南では主に石英質なクラスターの層位配列をそれぞれ示した。また,細砂画分の主要元素組成クラスターによるグループ化は土壌断面形態の違いをよく反映していた。

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© 2003 日本ペドロジー学会
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