2014 年 64 巻 9 号 p. 338-342
東日本大震災発災から3年が経過した現在での震災アーカイブ活動の現状を報告する。東日本大震災の発災直後から震災の記憶や教訓を後世へ継承していくため東日本大震災に関する文書や写真,映像等,さまざまな記録を収集し公開する取組みが産官学民などの機関により行われている。これらの活動の中では,課題や問題点も指摘されており,記録方法,整理・保存方法,活用の観点からこの現状を紹介する。特に,東日本大震災の記憶が風化していく中で,どのように利活用を促進していくかも大きな課題である。アーカイブの代表例として,東北大学で実施している「みちのく震録伝」などの活動を例に,被災を繰り返さないアーカイブ活動を紹介する。