気管支学
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症例
好酸球増多を伴いびまん性粒状影を認めた血管免疫芽球性T細胞リンパ腫の1例
東條 裕鈴木 眞奈美綿貫 善太齊藤 涼子大藤 高志岡田 信司
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2021 年 43 巻 4 号 p. 442-447

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抄録

背景.血管免疫芽球性T細胞リンパ腫(angioimmunoblastic T-cell lymphoma:AITL)に肺病変を伴うことがあるが,これまでにびまん性粒状影の報告はない.症例.72歳男性.発熱,リンパ節腫脹,末梢血好酸球増多・リンパ球減少があり,胸部CTで両側肺野の多発粒状影を認め精査のため入院した.可溶性インターロイキン2受容体が高値で,悪性リンパ腫が疑われた.気管支肺胞洗浄液(bronchoalveolar lavage fluid:BALF)では好酸球37%,リンパ球1%であった.経気管支肺生検組織では肺動脈壁に異型T細胞の浸潤を認めたが,少数のため診断には至らなかった.頸部リンパ節生検を行い,AITLの診断となった.結論.びまん性の粒状影と好酸球増多を末梢血,BALFで認めたAITLの症例を経験した.確定診断にはリンパ節生検が必要なことが多く,本疾患を念頭に置いた検査が必要である.

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© 2021 特定非営利活動法人 日本呼吸器内視鏡学会
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