気管支学
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腫瘍マーカーの上昇とFDG-PETの集積を示した気管支原発多発神経鞘腫の1例
笹原 陽介吉井 千春生越 貴明鳥井 亮島袋 活子白石 朝子野口 真吾山崎 啓渡橋 剛川波 敏則石本 裕士矢寺 和博迎 寛
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2015 年 37 巻 4 号 p. 403-408

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抄録

背景.腫瘍マーカーの上昇およびFDG-PETで高集積を示した気管支原発多発神経鞘腫の1例を経験したので,報告する.症例. 74歳,男性.近医にて腫瘍マーカー(CA19-9)高値を指摘され当科紹介受診となった.当院で施行した血液検査にてCA19-9, CYFRA, SCCの上昇,胸部CT検査にて両側肺門部と縦隔に多発結節影を認めた.またFDG-PETではSUV max 7.0と高集積を認め,悪性腫瘍が疑われた.経気管支生検および超音波気管支鏡ガイド下針生検にて神経鞘腫の診断を得た.その後の経過観察では腫瘍マーカーの変化はなく,画像上で結節影の増大も認めていない.結語.気管支原発の神経鞘腫はまれであり,腫瘍マーカーの上昇やFDG-PETで高集積を示す場合は悪性腫瘍との鑑別が困難である.

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© 2015 特定非営利活動法人 日本呼吸器内視鏡学会
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