気管支学
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気管支内軟骨性過誤腫の一治験例
木村 荘一森田 敬知稲垣 敬三荒井 他嘉司平田 正信中野 昭鈴木 俊光大谷 直史田島 洋門沢 克俊斉藤 秋子大島 武雄飯野 行一
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キーワード: 気管支内過誤腫
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1981 年 3 巻 2 号 p. 207-212

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抄録

我々は、最近右B^9に発生した気管支内過誤腫を経験したので報告する。症例は39才、男性、会社員である。昭和51年8月、54年3月に、発熱、易疲労感があり、某院にて、胸部X線写真をとり、右下肺野の陰影を指摘され、肺炎として治療している。同一部位に陰影が出現したので、精査のため本院に転院した。胸部X線写真では右S^9の部位に索状陰影が認められ、気管支造影像では右B^9入口部に腫瘍による陰影欠損があり、気管支鏡検査では右B^9入口部に表面平滑な、正常気管支粘膜で被覆された硬度の硬い腫瘍が認められ、気管支鏡下生検では正常気管支粘膜と軟骨組織が得られ、悪性所見は認められなかった。気管支内腫瘍が原因で閉塞性肺炎をくりかえすので、右下葉切除術が施行された。腫瘍はB^9_<ab>の分岐上にポリープ状に存在し、大きさは5×5×3mmで、組織学的には硝子様軟骨組織で、内部に気管支上皮で被われた間隙を有し、軟骨性過誤腫と診断された。

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© 1981 特定非営利活動法人 日本呼吸器内視鏡学会
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