気管支学
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経気管支鏡的採取標本における肺癌遺伝子異常の解析(気管支鏡による診断と治療 : その新たなる展開)(第 18 回日本気管支学会総会特集号)
村上 功檜山 桂子奥崎 健二井谷 研二大橋 信之住吉 秀隆礒部 威藤原 康弘山岡 直樹山木戸 道郎
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1995 年 17 巻 8 号 p. 691-694

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抄録

気管支鏡検査によって得られる材料を用いて, 肺癌の遺伝子異常の治療前診断を試みた。細胞診により悪性細胞の存在を確認しえた60症例132検体からDNAを抽出し, Southern Blot法により, myc遺伝子増幅の有無ならびにテロメア長の測定をおこなった。またpolymerase chain reaction-restriction fragment length polymorphism (PCR-RFLP)法により, ras遺伝子の点突然変異の検索を, PCR-denaturing gradient gel electrophoresis (PCR-DGGE)法を用いてExon 3から9の領域におけるp53遺伝子の変異を検索した。60例中12例(20%)にテロメア長の変化を, p53遺伝子の変異は25例(42%), 2例(3%)にc-myc遺伝子の増幅を, 腺癌26例中3例(12%)にK-ras遺伝子の点突然変異を認めた。肺癌のこれらの遺伝子異常の治療前診断は, 肺癌の生物学的特性の理解の一助となる可能性が示唆された。

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© 1995 特定非営利活動法人 日本呼吸器内視鏡学会
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