気管支学
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気管支鏡検査におけるリドカイン局所麻酔法の検討 : 散布チューブおよび LTA-360 を用いた気管内噴霧麻酔法の試み
中野 知幸進藤 敬久西浦 公章林 需藪田 育男下村 英明畠山 雅行石川 兵衛
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1990 年 12 巻 5 号 p. 474-481

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抄録

気管支鏡検査対象の102症例を4群にわけ, A群・B群には現行の方法, C群・D群には新しい方法で, 術前のリドカイン局所麻酔を行い比較した。リドカイン投与方法 : A群では経口的に噴霧, B群では経口的に噴霧後, 注射器で直接気管内に注入, C群(散布チューブ麻酔法)では咽頭に噴霧後, 気管支鏡下に散布チューブで直接気管内に噴霧, D群(気管内噴霧麻酔法)では咽頭に噴霧後, LTA 360で直接気管内に噴霧し, 4群の麻酔効果不十分例には気管支鏡下に追加注入した。リドカイン投与量はA群374±43mg, B群322±20mg, C群226±25mg, D群210±15mgであった。麻酔効果はD群が最も優れていた。リドカイン血中濃度は各群間に差がなく, 血中濃度とリドカイン投与量・麻酔効果との相関はなかった。一方, D群には施行困難や気道損傷などの偶発症を認めた。散布チューブ麻酔法および気管内噴霧麻酔法はともに優れた麻酔法と考えられる。

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© 1990 特定非営利活動法人 日本呼吸器内視鏡学会
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