2004 年 3 巻 2 号 p. 13-21
目的 : 現在いわれている血圧測定における安静時間の妥当性を検討するために活動後の血圧下降が収まり安静となるまでの時間を検証した.
研究方法 : 23名の健常者に対して, 非観血的連続血圧測定装置 JENTOW-7700 (日本コーリン) を用い, 歩行終了後直ちに座位で20分間の連続血圧測定を行った. 20秒間を1ブロックとし, あるブロックとその前後のブロックとの血圧の平均値の有意差検定を行うことで歩行終了後の血圧下降が収まる時点 (安静時点) を判定した.
結果および考察 : 歩行終了後に血圧下降がみられ, その後急激な血圧下降が収まる時点が各々の対象において認められた. ほとんどが15分間以内で安静と判定できたが, 安静と判定できるまでに歩行終了後16分10秒かかる対象もあった. 安静を必要とする時間を5分間以上や10分間以上としているだけでは適切な血圧測定ができるとはいい難く, これまで根拠なく設定されていた安静時間では必ずしも正しく血圧測定できるとは限らないことを明らかにした.