日本看護技術学会誌
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原著
婦人科外科患者における術前 ・ 術後1週間の気分, 痛み, 自律神経活動の変化
縄 秀志
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2002 年 1 巻 1 号 p. 28-35

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抄録

 本研究は, 婦人科外科患者における術前から術後1週間の気分, 痛み, 自律神経活動の経時的変化を明らかにすることを目的とした.
 気分の測定には研究者作成の 「とてもだるい (-4点)~とてもいい気分 (+4点) 」 の9段階スケールを, 痛みの測定には Visual Analogue Scaleを使用した. 自律神経活動の測定には, 心拍変動スペクトル解析法の祖視化スペクトル (Coarse Graining Spectral Analysis) 法を用いた.
 研究の承諾が得られた子宮筋腫または卵巣嚢腫の開腹術を受ける患者6名を被験者とした.
 術前における自律神経活動は, 交感神経活動が亢進する場合と副交感神経活動が亢進する場合があり, 手術に望むストレス反応が顕著であった.
 気分, 痛み, 自律神経活動ともに1病日から2病日にダイナミックに変化し, 手術侵襲反応を示した. この時の自律神経活動は, 交感神経活動の亢進あるいは副交感神経活動の亢進を示した.
 3病日以降の気分, 痛みは回復傾向を示した. 自律神経活動は, 交感神経活動が安定する場合には術後いったん低下した副交感神経活動が回復していた. また, 交感神経活動の亢進する場合には副交感神経活動が低迷していることが見出された.

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© 2002 日本看護技術学会
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