理学療法のための運動生理
Print ISSN : 0912-7100
トレッドミルの歩行速度の知覚について
久保 晃
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1991 年 6 巻 1 号 p. 33-38

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抄録

健常成人19名を対象に,自己の日常の歩行,その1.5倍(50%増)の速さに感じられる歩行,0.5倍(50%減)の速さに感じられる歩行の3条件の歩行速度を設定し,床上とトレッドミル上で比較検討した。その結果,対応するどの条件においても,床上での歩行速度が速いことが判明した。その程度は,床上の日常の速度がトレッドミル上での1.5倍(50%増)に感じられる速度にほぼ相当していた。したがって,床上の速度を基準にトレッドミル上を同じ速度で歩くとかなり速く感じられることが裏付けられたと思われる。また,床上とトレッドミル上の歩行速度には対応関係が認められることや,速度調節に共通した特性が存在することも明かとなった。

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