2008 年 23 巻 3 号 p. 375-382
〔目的〕本研究の目的は,高齢片麻痺者の身体活動量の自然低下を予測するための身体活動量(PA)の最適値を見つけることであった。〔対象〕対象はデイサービスを利用する日常生活活動が自立した男性片麻痺者25名であった。〔方法〕方法は,姿勢と作業強度,活動時間の組み合わせから推定した身体活動量(PA PI)と,METs法で推定する身体活動量(PAMETs)から安静時心拍数と収縮期血圧の二重積(DP)を基に低活動を見つける最適なカットオフポイントを探した。低活動を簡便に判定する指標として,早朝,安静座位時のDPを算出し各身体活動量との関連性を分析した。〔結果〕結果,DPは8,000 bpm×mmHg以上の場合を低活動あり(陽性)として,PAPIとPAMETsでROC分析において,PA PIの1,250 kcal(p<0.05)だけが有意であった。PAMETsは各値とも統計学的有効性を示さなかった。〔結語〕最適なカットオフポイントは1,250 kcalのPAPIと示唆された。