理学療法科学
Online ISSN : 2434-2807
Print ISSN : 1341-1667
研究論文
頸髄損傷患者における自律神経活動の日内変動について
─心拍変動パワースペクトル解析による検討─
高橋 健太郎村上 雅仁前田 慶明池田 洋美細川 晃代加藤 順一
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2004 年 19 巻 3 号 p. 207-210

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抄録

頸髄損傷者を対象に自律神経機能と概日リズムについて検討した。男性頸髄損傷者7名(26±5歳)と健常男性8名(25±2歳)を対象に,アクティブトレーサーAC301を24時間装着し,心拍変動のパワースペクトル解析により超低周波領域成分,低周波領域成分,高周波領域成分,低周波領域/高周波領域比および心電図R-R間隔変動係数を睡眠および覚醒時で比較した。両群において覚醒時の低周波領域/高周波領域比と心電図R-R間隔変動係数は,睡眠時と比較して有意に高値を示した。頸損群の覚醒時超低周波領域成分および低周波領域は,健常群と比較して低値の傾向を示したが,高周波領域は変化なかった。また,頸損群で覚醒時低周波領域/高周波領域比は,健常群と比較して有意に低値を示した。結果から頸髄損傷者において睡眠および覚醒時で日内変動がみられ,自律神経中枢のリズム障害とsympathovagalバランスが関連していることが示唆された。

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© 2004 by the Society of Physical Therapy Science
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