電子情報通信学会 基礎・境界ソサイエティ Fundamentals Review
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6Gシステムにおける非線形最適化技術適用の利点とその課題
岡本 英二
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2023 年 17 巻 1 号 p. 26-35

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抄録

第5世代移動通信システム(5G)の商用展開が進み,少しずつアプリケーションやユーザの体験も進化している.しかし移動通信では伝搬路変動が生じるため高品質伝送を保証するためには技術の適用が必要である.その技術の一つである線形等化処理を例に挙げながら,5Gを支える幾つかの信号処理技術を紹介し,線形・非線形信号処理の特徴を述べる.そして線形,非線形信号処理がそれぞれ計算量削減,システム性能向上に寄与することを示す.更に5Gの標準化動向の特徴を紹介しユースケースが細分化しつつ追加されている状況を述べ,5Gの次の世代である6Gのシステムモデリングであるセルフリーシステムの概念を紹介する.そして6Gでは通信資源配分の要素数が爆発的に増加し,目的関数も複数化がなされるため,干渉を分離・融合しながら機械学習などを適切に用いて準最適解を迅速に導出し,無線リソースを含むシステム制御を行うことを述べる.これにより,あらゆる用途やエリア,通信様式をカバーするという今後の超ユースケース拡張に対応することが可能となる.

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