核融合研究
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弱電離プラズマ中のイオン振動
佐藤 徳芳八田 吉典
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1962 年 9 巻 5 号 p. 526-542

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抄録

弱電離プラズマ中におけるイオン振動の分散関係を線形化されたBoltzmann-Vlasore方程式とボアッソンの方程式を使用して求め, イオン振動が荷電粒子 (主にイオン) -中性粒子間衝突によってどのような影響を受けるかについて調べる。Boltzmann-Vlasore方程式の衝突項は, 荷電粒子-中性粒子間衝突について, δfα/δt) c=nαFαo-fαα (α=e, i, fα : 速度分布函数, Fαo : 規格化された定常状態速度分布函数, nα : 粒子数密度, τα : mean free time) で近似し, 荷電粒子間のDebye lengthより近い短距離相互作用は考えに入れない。尚, 簡単のため1/5.6λ/λe≪1 (λ : 波長, λe : 電子の平均自由行程) を満たす振動のみを対称とする。特に温度の比がTe/Ti=1とTe/Ti≪1の場合について, イオン振動が不安定となるのに必要なrelative drift velocityがイオン-中性粒子間衝突により, どのように変るかを考える。Te/Ti≫1の場合, この衝突が無視出来るならば, relative drift velocityがvo= (me/mi) I/2 (kTe/me) I/2 (1+k2/K2D) -I/23) 4) 5) 6) (k=2π/λ, k2D=4πe2ne0/κTe) より大の時, 不安定となるが, 衝突周波数が考えている振動の周波数と同じ程度の時は, 電子の熱運動速度程度のredative drift velocityがなければ, イオン振動の不安定が起らないことがわかる。

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© プラズマ・核融合学会
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