1983 年 8 巻 4 号 p. 429-436
光学活性 N-benzylbutanamide を合成し, Scirpus juncoides と Echinochloa crus-galli に対する除草活性をバイアル試験にて測定した. N-(1′-methyl-1′-phenylethyl)-2-bromo-3,3-dimethylbutanamide (S-47) と (2R,1′S)-(-)-N-(1′-phenylethyl)-2-bromo-3,3-dimethylbutanamide (S-44) の結晶構造は, X線解析により滑らかな形をしていることがわかった. また, (-)-2-bromo-3,3-dimethylbutanoic acid の絶対立体配置はRと決定された. S-47の (R)-(+) 異性体は (S)-(-) 異性体に比べ, 感受性の高い S. juncoides に対しては約10倍活性が高かったが, 感受性のより低い E. crus-galli に対しては活性差は小さかった. S-44では, 酸部位がR-配置かつアミン部位がS-配置であることが高活性に必要であった.