1983 年 8 巻 1 号 p. 27-31
有機リン剤抵抗性および感受性トビイロウンカのマラチオンおよびフェニトロチオンに対する感受性を局所施用法によりしらべた. マラチオン抵抗性およびフェニトロチオン抵抗性系統の両薬剤に対する感受性は感受性の系統にくらべ著しく低かった. 900g上清分画粗酵素液による in vitro での14C-メチルマラチオンの代謝は, 両抵抗性系統では感受性系統にくらべ約8倍高く, 代謝物の大部分はカルボキシルエステラーゼによるものであった. また細胞分画して14C-メチルマラチオン分解酵素の局在性をしらべたところ, 105,000g上清分画で最も分解活性が高かった. 寒天ゲル電気泳動法によって分離された酵素による14C-メチルマラチオンの分解作用をしらべたところ, 高アリエステラーゼ活性を示す泳動帯でのみ分解作用が認められた.